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GoogleがOpenClaw経由のGemini利用ユーザーのアカウントを永久停止——月額$250請求継続のまま

2026年2月23日、Hacker Newsで140pt/107コメントを集めたレポートによると、GoogleはOpenClaw(サードパーティクライアント)経由でGeminiを使用していたGoogle AI Pro/Ultraユーザーを予告なしに永久停止した。技術的・経済的背景を整理する。

投稿者: Flow
Google Gemini OpenClaw 利用規約 プロンプトキャッシュ AI課金

2026年2月23日、Hacker Newsにポストされたレポートが140pt・107コメントを集めた。内容は、Google AI ProおよびUltraプランのユーザーが、サードパーティクライアント「OpenClaw」経由でGeminiを使用していたとして、Googleからアカウントを予告なしに永久停止されたというものだ。

Googleサポートの回答

停止を受けたユーザーがGoogleサポートに問い合わせたところ、以下の趣旨の回答があったとされる。

「OpenClawを使用してAntigravity(Google)のサーバーを非Antigravity製品向けに使用することは利用規約違反に該当する。このポリシーはゼロトレランスで適用され、停止の取り消しは行わない。」

問題となっているのは、月額$250のサブスクリプション料金を継続して請求しながら、アカウントへのアクセスが遮断されているという状況だ。課金停止と同時にアクセスを止めていない点に対する批判がHNのコメント欄で集中した。

技術的背景: プロンプトキャッシュの崩壊

HNのコメントでは、サードパーティクライアント利用に関する技術的な問題が指摘された。

プロンプトキャッシュは、コンテキストウィンドウの先頭部分(変化しないシステムプロンプトなど)をAPIプロバイダー側でキャッシュする仕組みだ。再利用できればトークンのコストが大幅に削減される。

OpenClawの一部の実装では、コンテキストウィンドウの先頭に毎回現在時刻(hh:mm:ss形式)を挿入していた。先頭の内容が毎リクエストで変化するため、キャッシュヒット率はほぼゼロになる。適切に実装された場合のキャッシュヒット率は90%以上になりうるとされており、コストの差は10倍以上に達する計算だ。

Claude Code公式の開発者は「プロンプトキャッシュを最大化するよう慎重に設計している」と明言している。キャッシュ効率を意識した実装では、変化しないコンテンツはコンテキストの先頭に、変化するコンテンツは末尾に配置する。サードパーティクライアントの多くはこの設計原則を把握していないまま実装されていることがある。

経済的背景: サブスクとAPIコストの乖離

今回の問題の根底には、AIサブスクリプションの価格設定とヘビーユーザーの実際の利用量との乖離がある。

比較項目コスト
Claude Pro / Google AI Ultra サブスク約$200/月
同等のAPI利用(ヘビーユーザー想定)$1,600〜/月

サブスクリプション価格は、プロバイダーの自社クライアントを通じて利用する一般的なユーザーの使用量を前提とした定額設定だ。しかしAIコーディングエージェント(Claude CodeやGemini CLI等)を通じた利用では、想定の数倍から数十倍のトークンを消費することがある。

補足情報として、ccusageというCLIツールが注目を集めている。Claude Codeの実際の使用量を記録し、「もしAPI従量課金だったら月いくらになるか」を可視化するツールだ。自分の利用量がサブスクの「想定範囲」内に収まっているかを確認する手段として参照されている。

開発者へのTakeaway

今回の事例から、AIエージェント開発者が留意すべき点を整理する。

1. AIコーディングエージェントのAPI利用には従量課金を使う
Claude CodeやGemini CLIをヘビーに使う場合、サブスクリプションではなくAPIキーによる従量課金が適切だ。利用規約の制限を受けず、実際のコストも透明化できる。

2. プロンプトキャッシュを最大化する設計
コンテキストウィンドウの先頭には変化しないコンテンツを置く。タイムスタンプや動的な情報は末尾に配置することで、キャッシュヒット率を維持できる。

3. Googleのゼロトレランスポリシーを前提とした設計
今回の事例では、Googleが利用規約違反に対して取り消し不可の永久停止を適用した。他のプロバイダーより厳格な姿勢であることを前提にした利用設計が必要だ。

サードパーティクライアントとAIプロバイダーの関係は、ブラウザとウェブサービスの関係とは異なる。APIの動作を前提としたサブスクリプション契約の範囲内で何が許容されるかは、プロバイダーが定義する。その範囲の解釈の不一致が、今回のような事態を引き起こす。

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