GitHub Agent HQ、Claude・Codexを統合しマルチエージェント開発環境を実現
GitHubは2026年2月、Copilot Pro+およびEnterpriseユーザー向けにAgent HQを拡張。Anthropic Claude、OpenAI Codexをパブリックプレビューとして追加し、複数のAIエージェントを統合ワークフロー内で利用可能にした。
GitHub Agent HQ、Claude・Codexを統合しマルチエージェント開発環境を実現
GitHubは2026年2月4日、GitHub Copilot Pro+およびCopilot Enterpriseユーザー向けに、複数のAIコーディングエージェントを単一ワークフロー内で利用可能にする「Agent HQ」の拡張を発表した。これにより、GitHub Copilot、Anthropic Claude、OpenAI Codexを、GitHub、Visual Studio Code、GitHub Mobile上で直接実行できるようになる(Claude、Codexはパブリックプレビュー)。
Agent HQの概要
Agent HQは、異なるAIコーディングエージェントをGitHubのネイティブワークフロー内で統合利用できるプラットフォームである。従来、複数のAIツールを使用する際にはコンテキストの切り替えとコピー&ペーストが必要だったが、Agent HQではすべての議論と提案された変更がリポジトリに紐付けられ、ドラフトプルリクエストやコメントとして既存のレビュープロセス内で処理される。
提供環境
- GitHub(Webインターフェース)
- Visual Studio Code
- GitHub Mobile
- Copilot CLI(近日サポート予定)
複数エージェントの並行利用による早期レビュー
Agent HQの主要な特徴は、同じタスクに複数のエージェントを割り当て、それぞれのアプローチを比較できる点にある。これにより、レビューの焦点を「構文」から「戦略」へとシフトすることが可能となる。
実用例
- アーキテクチャガードレール: エージェントがモジュール性と結合度を評価し、意図しない副作用を引き起こす可能性のある変更を特定
- ロジック検証: 別のエージェントがエッジケース、非同期処理の落とし穴、スケールの前提条件など、本番環境で問題を引き起こす可能性のある要素を探索
- 実用的な実装: 第三のエージェントが後方互換性を保ちつつ、リファクタリングの影響範囲を最小化する変更を提案
AnthropicのHead of Platform、Katelyn Lesse氏は「開発者が必要とする場所で、必要な推論力を提供することが目標。Agent HQにより、Claudeがコードをコミットしプルリクエストにコメントでき、チームの反復を加速できる」と述べた。
統合されたエージェントと技術的詳細
GitHub Copilot(標準搭載)
GitHubのネイティブAIコーディングアシスタント。コード補完、コメントからのコード生成、プルリクエストの説明生成などを提供。
Anthropic Claude(パブリックプレビュー)
2026年2月5日に発表されたOpus 4.6を含むClaudeモデルを利用可能。エージェンティックコーディング、コンピュータユース、ツールユース、検索、ファイナンスの各領域で業界をリードするパフォーマンスを示している。
OpenAI Codex(パブリックプレビュー)
OpenAIのAlexander Embiricos氏は「最初のCodexモデルがCopilotの原動力となり、新世代のAI支援コーディングにインスピレーションを与えた。GitHubとのビジョンを共有し、開発者が作業する場所でCodexを提供できることを嬉しく思う」とコメントした。
エンタープライズ向け管理機能
Agent HQは個人開発者だけでなく、組織全体に対して以下の機能を提供する。
エージェント管理
組織全体でアクセスおよびセキュリティポリシーを一元管理。エンタープライズ管理者は、どのエージェントとモデルが許可されるかを定義できる。ポリシーは以下の3種類に分類される。
- Feature policy: Copilot機能の利用可否を定義
- Privacy policy: 潜在的に機密性の高い操作の許可・拒否を定義
- Models policy: 基本モデルを超えるモデルの利用可否を定義(追加コストが発生する可能性がある)
組織レベルでは「Enabled(有効)」「Disabled(無効)」「Unconfigured(未設定)」の3つの設定が可能。エンタープライズレベルでは「Policy defined(ポリシー定義済み)」または「No policy(ポリシーなし)」を選択でき、後者の場合は組織オーナーが独自に設定できる。
GitHub Code Quality(パブリックプレビュー)
Copilotのセキュリティチェックを拡張し、変更されたコードの保守性と信頼性への影響を評価。「LGTM(Looks Good To Me)」が長期的なコード品質を反映することを保証する。
自動初回レビュー
Copilotのワークフローに統合されたコードレビューステップ。開発者が確認する前に初期の問題に対処する。レビューは以下の環境で利用可能。
- GitHub.com(プルリクエスト作成時にレビュアーとしてCopilotを選択)
- Visual Studio Code(選択コード、未コミット変更、プルリクエストのレビュー)
- Visual Studio(17.14以降、Git Changes窓から「Review changes with Copilot」を選択)
- GitHub Mobile
- Xcode(GitHub Copilot Chat extension 0.41.0以降)
- JetBrains IDE(IntelliJ IDEA、PyCharm、WebStorm等)
レビューのカスタマイズには、リポジトリ内の.github/copilot-instructions.mdファイルに指示を記述可能。パス固有の指示は.github/instructions/**/*.instructions.mdで定義できる。
Copilotメトリクスダッシュボード(パブリックプレビュー)
組織全体のAgent HQ利用状況と影響を追跡。エージェントが生成した作業の明確なトレーサビリティを提供。
セキュリティと監査可能性
監査ログとエンタープライズグレードのアクセス管理により、エージェントがセキュリティポリシーに準拠することを保証。組織は全コントロールを維持しつつ、エージェントベースのワークフローを採用できる。
料金プランと利用可能機能
Agent HQで複数のAIエージェント(Claude、Codex)を利用するには、GitHub Copilot Pro+またはCopilot Enterpriseサブスクリプションが必要である。2026年2月時点のプラン体系は以下の通り。
個人開発者向けプラン
GitHub Copilot Free(無料)
- 月額: $0
- コード補完: 月2,000回
- プレミアムリクエスト: 月50回
- Agent mode(GPT-5 mini使用): 月50回
- Claude・Codex統合: 利用不可
GitHub Copilot Pro
- 月額: $10(年払いの場合$100)
- コード補完: 無制限
- プレミアムリクエスト: 月300回
- Agent mode: 無制限
- Claude・Codex統合: 利用不可
- 学生、教職員、人気オープンソースプロジェクトメンテナーは無料
GitHub Copilot Pro+
- 月額: $39(年払いの場合$390)
- コード補完: 無制限
- プレミアムリクエスト: 月1,500回
- Agent mode: 無制限
- Claude・Codex統合: 利用可能(パブリックプレビュー)
- 追加プレミアムリクエスト: $0.04/リクエスト
組織・エンタープライズ向けプラン
GitHub Copilot Business
- 組織向け(GitHub FreeまたはGitHub Teamプラン、GitHub Enterprise Cloud)
- Copilot coding agent搭載
- 一元管理とポリシー制御
- 料金: 要問合せ
GitHub Copilot Enterprise
- GitHub Enterprise Cloud利用企業向け
- Copilot Businessの全機能に加え、エンタープライズグレード機能
- Claude・Codex統合: 利用可能(パブリックプレビュー)
- 組織のコードベース索引化、カスタムプライベートモデル対応
- 料金: 要問合せ
プレミアムリクエストとは
Agent mode、コードレビュー、coding agent、Copilot CLI、Copilot Chatはプレミアムリクエストを消費する。利用リクエスト数は機能やモデルにより変動する。Pro+プランでは月1,500リクエストまで含まれ、超過分は1リクエストあたり$0.04で購入可能。
導入方法
前提条件
Agent HQでClaude・Codexを利用するには、以下が必要。
- GitHub Copilot Pro+またはCopilot Enterpriseサブスクリプション
- 対応環境(GitHub、Visual Studio Code、GitHub Mobile)のいずれか
- GitHubアカウント
Pro+サブスクリプションの開始手順
- GitHubにサインイン
- GitHub Copilot Pro+サブスクリプションページ(https://github.com/github-copilot/signup)にアクセス
- プラン選択画面で「Pro+」を選択
- 支払い情報を入力し、サブスクリプションを開始(30日間無料トライアル対象外)
Agent HQでのエージェント利用方法
GitHub.com(Webインターフェース)の場合:
- リポジトリのIssueまたはプルリクエストを開く
- エージェント選択画面(Agent HQ)を表示
- 利用可能なエージェント(GitHub Copilot、Claude、Codex)から選択
- タスクを割り当て、エージェントの提案を確認
Visual Studio Codeの場合:
- GitHub Copilot拡張機能がインストールされていることを確認
- コマンドパレット(Cmd+Shift+P / Ctrl+Shift+P)から「Copilot: Open Agent HQ」を選択
- エージェント選択メニューからClaude、Codex、Copilotのいずれかを選択
- チャット、コードレビュー、Agent mode等で利用開始
GitHub Mobileの場合:
- GitHub Mobileアプリを最新版に更新
- プルリクエストまたはIssueを開く
- 「Request Reviews」からCopilotまたはサードパーティエージェント(Claude、Codex)を選択
- エージェントがレビューを実行
エンタープライズでのポリシー管理
組織管理者は、以下の手順でエージェントアクセスを制御できる。
- GitHubエンタープライズ設定にアクセス
- 「Copilot」→「Policies」セクションを開く
- 「Models policy」で、ClaudeやCodexの利用可否を設定
- 組織メンバーまたはチーム単位でアクセス権限を割り当て
- 監査ログで利用状況を追跡
今後の展開
ClaudeとCodexへのアクセスは、今後さらに多くのCopilotサブスクリプションタイプに拡大される予定。GitHubは現在、Google、Cognition、xAIなどのパートナーと協力し、GitHub、VS Code、Copilot CLIワークフローにさらに専門的なエージェントを導入する作業を進めている。
参考リンク
- GitHub公式ブログ: “Pick your agent: Use Claude and Codex on Agent HQ” (https://github.blog/news-insights/company-news/pick-your-agent-use-claude-and-codex-on-agent-hq/)
- GitHub Copilot Policies Documentation (https://docs.github.com/en/copilot/concepts/policies)
- GitHub Copilot Code Review Documentation (https://docs.github.com/en/copilot/how-tos/use-copilot-agents/request-a-code-review/use-code-review)
- Anthropic公式ニュース: Opus 4.6発表(2026年2月5日)(https://www.anthropic.com/news)
本記事の情報は2026年2月17日時点のものです。各サービスの機能や料金は変更される可能性があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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